ほぼ本州の最果てで

本州の最果てに暮らすおじさんの生態 ド田舎でも探せばきっとなにかある…のか?

いきなり妄想 ベルセルク③ 断罪編 ルカとニーナの物語

断罪編はロスト・チルドレンの章の後、縛鎖の章、聖誕祭の章と続きます

 

縛鎖の章では、ロスト・チルドレンの章で出てきた、今後重要な役割を担いそうなファルネーゼセルピコとの出会いや彼らの人物像を

 

聖誕祭の章では背後にある法王庁とその狂信者モズグスを中心に据えて、

この世界の宗教と信仰とは?人の強さ・弱さとは?生きるとは?救いとは?などを様々な角度から描き、ベルセルクの世界観をよりいっそう深めていると思います

 

ストーリー的にもこれらを背景に模擬蝕からのグリフィス受肉で、世界が変貌しこれからいったいどうなるのか…という大きな転換を見せています

 

 

 

 

ガッツとグリフィスのアナザーストーリー

本当は前回の記事で膨らんだ妄想をもとに、もっと妄想を膨らますべく法王庁について書こうと思っていました

 

 

しかし色々な考えが浮かんでは消え浮かんでは消え…とするうちに、あっちこっちに考えが飛んでしまったので

まずはあっちこっちに行ってしまった考えの中から、ルカとニーナについて先にまとめることにしました

 

結論から言ってしまうと

ルカとニーナの物語は、ガッツとグリフィスのアナザーストーリーではないか

ということです

 

え?それは無理がある?

はい、私もそう思います。しかしこれは…

妄想ですから!(キャスカの深層心理の中のシールケ風)

 

ルカはこの荒んだ世界のなかで何者にも流されず強かに生きる女性として描かれています

自分の境遇にも負けず、誰に縋るわけでもなく、必死に生き抜こうとする姿はガッツと被るものを感じます

 

一方のニーナは、そのルカに縋り生きていました。さしたる自我もなくただ臆病で、その自分の弱さから逃げるように邪教の集会で欲望を発散させていました

これだけみればグリフィスとは被りようもないのですが…

 

新しい世界の卵(使徒)の独白で

私は一人の少女に目をつけた

少女は男達に身を売り生きていた

彼女は病魔に憑かれ間近にある死と恐怖に満ちた世界に今にも押し潰されそうだった

だが少女にも縋るものがあった

彼女の属する集団のリーダーで女達を寄り集め過酷な日々を強かに生き抜いていた

少女はその女に縋った

闇夜に炬(たいまつ)に身を寄せるように

…だが炬は少女を暖め包むだけではない

それは闇に隠した爛れた傷口を照らし出すのだ

…だが闇に脅えるものに炬を手放すことなど決して出来はしない

できることは照らし出された悍しく醜い自分を呆然と見つめ

打ちのめされ続けることだけ…

そして矮小な自尊心を庇うため

憎みながら

依存するのだ

 

…とニーナのことを見ています

これはもちろん細部は違いますが、どこか拷問を受けた後のグリフィスにも当てはまるのではないでしょうか

 

眩しく自分を照らし出すガッツ…

いつの間にか自分を掌握していることに気づいたグリフィス

 

キャスカは気づいていました

すがるものを亡くしてしまった人には何かしてあげられるのかな…
優しい言葉をかけてやること…厳しい叱咤…
私は誰かにそばにいてほしかった

グリフィスは、お前がいなきゃダメなんだ!

人はそんなに強くない、みんな弱いから人や夢に縋ってる…

グリフィスもまた例外ではないことに

 

―夢とはおかしなもんだ。勇ましい挑戦とも思えるが、甘えた逃避のようにも思える

イーノック村でモーガンがイシドロに向かって言った言葉です

 

夢とは逃避…暗にグリフィスへ向けたセリフなのかもしれません

 

グリフィス自体が

夢をもたない生き方など、耐えられない

といっているのです

 

言い方は勇ましいが、裏を返せば夢に縋ってないと生きられなかったと言うことではないでしょうか

グリフィスから見れば、何に縋るでもなく絶望から立ち上がり生き抜こうとするガッツの強さが眩しく映ったのかもしれません

もしも…

グリフィスは拷問後の絶望から立ち上がることが出来ませんでした

その後はこの記事に目を通していただいた方ならきっともうご存知のことと思います

 

一方のニーナは…

アルビオンの悪夢を樽の中で孤独に恐怖を耐えるなかで、わずかながら生への執着と生き抜こうとする意思を芽生えさせました

そして自分の弱さを認め、同じ弱さを持ったヨアヒムのことを許せました

この人となら少し強く、優しくなれそう…

縋る誰かより、誰かを赦せる自分がほしい…と

 

人は強いっていうだけで誰かを傷つけてしまい

弱いってだけで誰かを憎んでしまう

 

もしグリフィスがガッツのことを赦せていたら…

ちょっと文章がとっちらかってますが、そういうアナザーストーリーだったのではないでしょうか

 

 

余談

聖誕祭の終わりで、なにげにファルネーゼも自分の弱さを認めるところまでいってますね

こんな絶望的な…

誰もが何かに縋りつくしかできないなかで

なぜこんなにも正確に当然のように生き抜くことを口にできるのか

…なぜ

この男の声は…

こんなにも力強く私に響く!?

ロスト・チルドレンの章でジルが感じたことをファルネーゼの目を通して具体的にこれから追っていくわけですね

 

そしてもうひとつこの物語の結末を示唆するセリフがルカから語られています

恐怖に我を忘れて周りに流されずに、最後まで生き延びるために行動したものが

順当に生き残ったんだ

神さまってのはなに考えてるかわかんないし、どうにもなんない運・不運をおしつけるけど

それでも

ヒトが自分達でなんとかできる領分は残しといてくれてるよ

改めて見てみるとすごいヒントですね(笑)

人類が、運命だ信仰だ神よ魔よ因果だ奇跡だとかでなく、自力で救われる領分があるってことですよねこれ(笑)

 

ルカって地に足をどっしりつけて生き抜く力を持った人物として描かれているとは思いますけど、ちょっと完璧過ぎて凄すぎませんか?(笑)

 

自分の考えを文章にまとめるって凄く難しい…

駄文をここまでお読みくださりありがとうございました(^^)

 

 

 

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